2022-08-02
拝啓、サミュエル・ベケット
「アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台」という
映画を見た。
簡単に言うと更生プログラムとして囚人たちが演劇を用い
成長していく?映画である。
この?には
様々な意味合いが多分に含まれており
映画を見てくれとしか言えないが
とても素晴らしかったが故に
その勢いのまま筆を走らせているこのテンションが伝われば幸いである。
以下ネタバレ
主人公エチエンヌは売れない俳優が囚人たちと心を通わせ
自らが演出する舞台「ゴトーを待ちながら」を
悉く成功に導くが最後にとてつもない不条理がふりかかる
一言でいうならば不条理映画だった。
たくさんの素晴らしいセリフが刺さる
「芝居は自分のためにやれ、いつだってそれを忘れるな」
「まさにゴトーのような出来事です」(うろおぼえ)
パリのオデオン座で
見た人それぞれの解釈があると思う。
ぼくは
主人公エチエンヌには
ゴトーがやって来たのだと思う。
囚人たちは会いに行ったのではなかろうか。
色々な見方が「ゴトー」にはあるけれど
待つよりも会いに行く勇気を見出す人もいるという
だからラストは私には
どうにも希望があるように見えた
待つことは「希望」だと言っていた。
一説によると
ゴトーはゴッドであると言う人も居る。
だからこの映画はゴトーはきっと存在すると言っているように思う。
神も希望も
きっとそこに確かにあると思う
エチエンヌは3年は仕事が「来ない」と言った。
しかし憧れのオデオン座で
雲の上のような存在の劇場で
万雷の拍手で終わる
希望に満ちたシーンで終わる
なんと良いシーンだろうか
セリフ一つなく
エチエンヌのなんとも言えない横顔で終わる
ゴドーはついにやって来たのだ。
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